電話が嫌いだ。
いや、正確には、いちいち電話をかけてくる人が嫌いだ。
何でもかんでも電話。
確認したいことがあれば電話。
少し分からないことがあれば電話。
調べればすぐに分かることでも電話。
お前のスマホには、電話機能しか搭載されていないのか。
メールがある。
LINEがある。
チャットがある。
インターネットがある。
Googleマップまである。
それなのに、なぜ電話をかけてくるのだろう。
僕には不思議で仕方がない。
仕事中、集中して作業をしている。
ようやく調子が出てきた。
頭の中では、次にやることも整理できている。
そんなときに限って、電話が鳴る。
プルルルル。
無視したい。
しかし、仕事だから出なければならない。
「お電話ありがとうございます」
ありがとうございます?
まだ何もありがたくないぞ。
電話の向こうから聞こえてくるのは、どうでもいい確認だったりする。
「明日の件なんですけど、予定どおりでお願いします」
「はい、承知しました」
「よろしくお願いします」
電話が切れる。
……。
メール一行で終わるやろ。
しかも、電話をかけた本人は満足している。
「よし、確認できた」
一方、僕は作業を中断されている。
どこまで進めたのか。
次に何をするつもりだったのか。
何を考えていたのか。
それをもう一度思い出さなければならない。
お前の仕事が進んだ分、俺の仕事が止まっているんだ。
今日は、いちいち電話してくる人がうざい理由と、なぜ電話をかけてくるのかという心理、そして対処法について考えてみたい。
なお、最初に言っておく。
緊急の電話まで否定するつもりはない。
ただし、電話をかける前に、一度だけ考えてほしい。
その用件、本当に電話じゃないと駄目なのか。
いちいち電話してくる人がうざい理由4つ
僕が電話を嫌うのには理由がある。
単純に、人と話すのが面倒だからではない。
いや、それも少しはある。
しかし、それだけではない。
電話という連絡手段そのものに、いくつか厄介な特徴があるのだ。
① 相手の時間を奪うから
まず、これが一番大きい。
電話は、かける側がタイミングを決める。
しかし、受ける側は選んでいない。
仕事をしているかもしれない。
食事をしているかもしれない。
本を読んでいるかもしれない。
ようやく眠りについたところかもしれない。
そんなことは関係なく、電話は突然鳴る。
なぜ、お前の都合で俺の予定が変更されるんだ。
メールなら、こちらの都合がいいときに確認できる。
LINEもそうだ。
チャットもそうだ。
ところが電話は違う。
今、出てください。
今、話してください。
今、私の用件を聞いてください。
そう要求してくる。
もちろん、電話に出ないという選択肢はある。
しかし、仕事ではそう簡単に無視できない。
着信があれば、対応を求められる。
出られなかったら折り返す。
そして、なぜかこちらが謝る。
「すみません、お電話に出られず」
いや、待ってくれ。
勝手にかけてきたのは、そっちだろう。
なぜ、出られなかった僕が謝っているのだ。
僕はその時間、別の仕事をしていただけである。
しかも、電話をかける人はよく言う。
「ちょっとだけいいですか?」
この「ちょっと」が信用できない。
ちょっととは何分なのか。
30秒なのか。
5分なのか。
20分なのか。
少なくとも、僕の時間を使うことに変わりはない。
電話をかける側にとっては、たった数分かもしれない。
しかし、受ける側はその数分だけでなく、中断した仕事に戻るための時間まで失うことがある。
電話の通話時間と、奪われる時間は必ずしも同じではない。
ここを分かってほしい。
② 内容が記録に残らないから
電話の厄介なところは、話した内容がそのまま記録に残らないことだ。
もちろん、録音する方法はある。
しかし、すべての電話を録音しているわけではない。
だから、必要なことはメモしなければならない。
「来週の水曜日、午後3時に変更でお願いします」
「承知しました」
「場所は第二会議室です」
「はい」
「持ち物は資料の最新版で」
「少々お待ちください。メモします」
最初からメールで送ってくれ。
なぜ、すでに文章にできる情報を、一度音声に変換してから、僕がもう一度文章に戻さなければならないのか。
何をしているんだ。
伝言ゲームか。
しかも、電話には恐ろしい問題がある。
「言った」「言わなかった」論争だ。
「先日、お電話でお伝えしましたよね?」
「聞いていません」
「いや、確かにお伝えしました」
「そんな話は聞いていません」
「間違いなく言いました」
「言われていません」
じゃあ、裁判でも始めるか。
証人はいるのか。
物的証拠はあるのか。
受話器に指紋でも残っているのか。
メールなら、後から確認できる。
送信日時も残る。
文章も残る。
認識が違った場合にも、何を伝えたのか確認しやすい。
それなのに、わざわざ電話で説明して、後から揉める。
そして最終的に、
「念のため、メールでも送っておきます」
最初からそうしてくれ。
電話で説明して、メールでも説明する。
同じ内容を二回伝えている。
これは丁寧なのだろうか。
それとも、ただ仕事を増やしているだけなのだろうか。
③ いつ終わるか分からないから
電話は、出るまで用件が分からない。
そして、出てからも、いつ終わるか分からない。
これが嫌だ。
メールなら、文章の長さを見れば、ある程度の内容が分かる。
しかし、電話は違う。
「少しお話ししたいことがありまして」
少しとは?
「実はですね、先日の件なんですが」
はい。
「その前に、ちょっと確認したいことがありまして」
はい。
「ところで最近どうですか?」
ところでじゃないねん。
なぜ、突然近況報告が始まるのだ。
こっちは仕事の途中である。
しかも、電話を切るタイミングが難しい。
相手が話している途中で切るわけにはいかない。
「それでは、失礼いたします」
「あ、あと一つだけ!」
出た。
あと一つだけ。
この言葉も信用できない。
一つ終わったと思ったら、もう一つ出てくる。
「あ、そういえば」
「それから」
「ちなみに」
お前の話にはエンディングがないのか。
電話をかける前に、要件を整理しておいてほしい。
何を聞きたいのか。
何を伝えたいのか。
どれくらい時間がかかるのか。
それが分かるだけでも、受ける側の負担は減る。
しかし、何も決めずに電話してくる人もいる。
話しながら考える。
考えながら話す。
そして、思いついたことを次々に追加する。
僕をお前の思考整理用ホワイトボードにしないでくれ。
④ その場で回答や判断を求められるから
電話には、もう一つ困ることがある。
その場で答えを求められることだ。
「この件、どうなっていますか?」
「確認しないと分かりません」
「今、分かりませんか?」
「少々お時間をいただければ」
「だいたいでいいので」
だいたいで答えて、間違っていたら怒るんだろう。
メールなら、内容を読んでから調べられる。
資料を確認できる。
必要なら、別の担当者にも相談できる。
そのうえで、正確な回答を返せる。
しかし、電話では相手が待っている。
沈黙が生まれる。
早く答えなければならない気がする。
「もしもし?」
「はい、確認しております」
「まだですか?」
待てないなら、なぜ調べる必要があることを聞いてきたんだ。
知らないことは知らない。
分からないことは調べる。
それでいいはずだ。
ところが、電話だと即答できないことが悪いような空気になる。
結果として、不確かな情報を伝えてしまう可能性もある。
僕は思う。
正確な回答が欲しいのか、早い回答が欲しいのか。どっちなんだ。
もちろん、緊急時には早い判断が必要なこともある。
しかし、急ぎでもない確認まで、その場で答えさせる必要はないだろう。
なぜいちいち電話してくるのか?考えられる5つの心理
では、なぜ人は電話をかけるのだろう。
もちろん、理由は人それぞれだ。
電話の方が伝えやすい内容もあるし、文字でのやり取りが苦手な人もいる。
ただ、電話を頻繁に使う人の心理として、いくつか考えられることがある。
① 文章を考えるのが面倒くさい
メールを書くには、文章を考えなければならない。
要件を整理する。
必要な情報を並べる。
相手に伝わる表現を選ぶ。
誤解がないか確認する。
それが面倒だから、電話をかける。
「電話の方が早いので」
そりゃそうだろう。
お前は早いだろうな。
自分で文章を整理しなくても、話しながら説明できる。
分からないことがあれば、その場で聞ける。
しかし、その分、受ける側が話を整理しなければならない。
つまり、文章を考える手間が消えたわけではない。
相手に移動しただけなのだ。
お前が節約した時間を、こっちに請求しているだけじゃないのか。
② すぐに返事が欲しい
メールを送っても、すぐに返事が来るとは限らない。
LINEもそうだ。
既読がついても、返事がないことがある。
だから電話をかける。
相手が出れば、その場で答えが返ってくる。
便利だ。
ただし、便利なのは主にかける側である。
相手が別の仕事をしているかどうかは関係ない。
自分が今知りたい。
だから、今答えてほしい。
お前の「今すぐ知りたい」は、俺の「今すぐ答える義務」ではない。
急ぎの事情があるなら、それを伝えればいい。
しかし、単に返事を待ちたくないという理由で電話をかけるのは、少し身勝手ではないだろうか。
③ 自分で調べるより、人に聞いた方が楽
これも多い気がする。
分からないことがある。
自分で調べる。
検索する。
公式サイトを見る。
資料を確認する。
普通なら、そういう選択肢がある。
しかし、最初から電話をかける人もいる。
「聞いた方が早いから」
また出た。
早い。
確かに、聞く本人は早いかもしれない。
しかし、電話を受けた側が調べて答えている場合もある。
自分で調べるのが面倒だから、他人に調べさせているだけではないか。
まるで、人間を検索エンジンとして使っている。
しかも、その検索エンジンは作業中である。
勝手に呼び出される。
無料で対応する。
場合によっては、怒られる。
Googleより待遇が悪い。
④ 電話の方が丁寧だと思っている
電話をかけることが礼儀だと思っている人もいるだろう。
大切な話は電話でする。
直接声を聞いて伝える。
文章だけでは冷たい印象になる。
そういう考え方も理解できる。
実際、謝罪や複雑な相談など、声で伝えた方が適している場面もある。
しかし、何でも電話すれば丁寧というわけではない。
相手が忙しい時間に突然かける。
作業を中断させる。
長々と話す。
それで本当に丁寧なのだろうか。
相手を思いやるための電話で、相手の都合を無視していないか。
丁寧さとは、電話を使うことではなく、相手に配慮することだと思う。
⑤ そもそも電話が迷惑だと思っていない
最後はこれだ。
本人に悪気がない。
電話は普通の連絡手段。
用事があればかける。
相手が出れば話す。
それだけ。
受ける側が何をしていたのか、あまり考えていないのかもしれない。
そして、電話を切ったあとには、
「助かりました!」
と言う。
こっちは助かってないねん。
もちろん、感謝してくれるのはありがたい。
ただ、自分が便利だったからといって、相手に負担がなかったとは限らない。
電話をかける前に、一度考えてほしい。
今、相手の時間を使う必要があるのか。
文章で済まないのか。
自分で調べられないのか。
その数秒の確認だけで、不要な電話はかなり減ると思う。
仕事でも友人でも客でも、電話がうざい瞬間
ここからは、具体的な場面を考えてみよう。
電話の厄介さは、仕事だけに限らない。
友人からの電話もある。
そして、接客業なら、お客さんからの電話もある。
ビジネス:メールを送ったことを電話で知らせる人
仕事で、こんな電話がある。
「先ほどメールを送らせていただきました」
「はい」
「ご確認いただけますでしょうか」
「承知しました」
電話が切れる。
……。
メールを送ったことを、なぜ電話で知らせるんだ。
メールは届く。
受信箱に表示される。
通知も設定できる。
それなのに、メールを送ったことを電話で伝える。
電話に出たせいで、肝心のメールを確認する時間が遅れているではないか。
さらに恐ろしいのは、このあとだ。
「先ほどのお電話の件ですが」
というメールが届く。
メールを送った電話について、またメールが来た。
何をしているんだ。
連絡の連絡の連絡である。
もちろん、重要な期限が迫っている場合など、電話で確認した方がいいこともある。
しかし、急ぎでもない内容なら、まずはメールで十分ではないだろうか。
友人:用件もなく突然電話してくる人
友人からの電話も厄介なことがある。
「もしもし、今何してる?」
「家にいるけど」
「暇?」
「いや、別に……」
「何してるん?」
なんで俺の生活を実況しなければならないんだ。
何か用件があるのかと思ったら、ただ話したいだけ。
もちろん、友人同士で電話を楽しむことは悪くない。
長電話が好きな人もいるだろう。
お互いが楽しんでいるなら、何の問題もない。
しかし、僕は突然電話をかけられるのが苦手だ。
用件があるなら、まずメッセージで送ってほしい。
「今、電話できる?」
この一言があるだけで違う。
こちらにも予定がある。
一人で過ごしているからといって、暇とは限らない。
家にいる人間が、全員待機中だと思わないでくれ。
接客:道に迷ってイライラしながら電話してくるお客さん
そして、僕が特に理不尽だと思うのが、道案内の電話だ。
店や施設で働いていると、道に迷ったお客さんから電話がかかってくることがある。
「すみません、そちらに行きたいんですけど!」
「はい。今、どちらにいらっしゃいますか?」
「駅です!」
「何番出口でしょうか?」
「分かりません!」
「近くに目印はございますか?」
「コンビニがあります!」
コンビニなんか山ほどあるわ。
こちらはお客さんの現在地が分からない。
どちらを向いているのかも分からない。
何が見えているのかも分からない。
だから質問している。
それなのに、相手はすでにイライラしている。
「早く教えてください!」
なんでこっちが怒られているんだ。
僕が駅を設計したわけではない。
道路を作ったわけでもない。
お客さんを迷路に誘い込んだわけでもない。
そして、何より言いたい。
そのスマホでGoogleマップを開け。
お前は今、何で電話をかけているんだ。
スマホだろう。
その手に持っているものは何だ。
電話しかできない謎の通信機器なのか。
違う。
地図が見られる。
現在地も確認できる。
目的地までの経路も表示してくれる。
もちろん、地図が苦手な人もいる。
位置情報がずれることもある。
スマホがうまく使えない場合もあるだろう。
だから、道案内が必要なこと自体は理解できる。
しかし、分からないからといって、電話に出た店員に怒る必要はない。
Googleマップには怒鳴らないくせに、店員には怒鳴るんか。
こっちは助けようとしているのだ。
助けを求めることと、助けてくれる人に不機嫌をぶつけることは違う。
調べればすぐ分かることを電話で聞いてくる人
もう一つ、どうしても言いたい。
公式サイトに書いてあることを、わざわざ電話で聞いてくる人である。
「営業時間は何時までですか?」
ホームページに書いてある。
「住所を教えてください」
ホームページに書いてある。
「駐車場はありますか?」
ホームページに書いてある。
「ホームページはありますか?」
お前は何を見て電話番号を調べたんだ。
電話番号を見つける能力はある。
電話をかける能力もある。
なのに、同じ画面に書いてある情報は見つけられない。
電話番号を発見した瞬間、検索能力を失うのか。
もちろん、公式サイトの情報が古かったり、分かりにくかったりすることもある。
ネットを使えない人もいる。
だから、問い合わせそのものを否定するつもりはない。
しかし、調べればすぐに分かることまで、最初から他人に任せる必要はないだろう。
自分の手間を減らすために、他人の手間を増やしている。
そこに、もう少し自覚を持ってほしい。
いちいち電話してくる人への対処法5つ
では、どうすればいいのだろう。
電話が嫌いだからといって、すべて無視できるわけではない。
仕事なら、必要な連絡もある。
友人関係も、相手との付き合い方を考えなければならない。
接客業なら、お客さんへの対応も必要だ。
そこで、現実的な対処法を考えてみた。
① 急ぎでなければメールやチャットをお願いする
まずは、これだ。
「急ぎでなければ、メールで送っていただけると助かります」
「確認事項はチャットにまとめてもらえますか?」
こう伝える。
電話をかけてくる人の中には、相手が電話を苦手としていることに気づいていない人もいる。
だから、連絡方法の希望を伝えるだけでも違う。
ただし、言い方には気をつけたい。
「電話してくるな」
これでは角が立つ。
僕の本音はそれでも、仕事ではもう少し穏やかに伝えた方がいい。
本音と業務連絡は分けておこう。
② 電話に出られない時間を作る
集中したい時間帯があるなら、電話対応を減らせる仕組みを作る。
例えば、社内で集中作業の時間を共有する。
緊急時以外はチャットを使う。
問い合わせを担当者間で分担する。
もちろん、職場のルールや担当業務によってできることは違う。
しかし、すべての電話に即座に出ることだけが、仕事ではないはずだ。
電話に出るために仕事をしているのか、仕事をするために電話を使っているのか。
一度考えてみてもいいと思う。
③ 電話の内容は文章で残す
どうしても電話で話した場合は、内容を文章で残しておきたい。
「確認のため、メールでも送っていただけますか?」
あるいは、自分から要点をまとめて送る。
これなら、後から確認できる。
「言った」「言わなかった」問題も減らせる。
ただし、毎回こちらが議事録係になるのも大変だ。
できれば、最初から文章で済むものは文章にしてほしい。
電話をしたあとにメールを書くくらいなら、最初からメールを書いてくれ。
何度でも言いたい。
④ 用件を確認して、長電話を切り上げる
電話が長くなりそうなら、用件を整理する。
「確認したい点は、こちらの二つでよろしいでしょうか?」
「続きはメールでいただけますか?」
「作業に戻る必要があるので、いったん失礼します」
こうやって区切る。
友人なら、もっと気軽に伝えてもいい。
「今、本読んでるから後でな」
これで十分だ。
本を読んでいる時間も、自分の大切な時間である。
相手に悪気がなくても、毎回付き合う必要はない。
⑤ お客さんには公式情報や地図を案内する
道案内や営業時間の問い合わせなら、公式サイトや地図を案内する方法もある。
「詳しい経路は、地図アプリでもご確認いただけます」
「公式サイトのアクセスページに掲載しております」
必要なら、住所や目印を伝える。
ただし、お客さんが困っている場合には、できる範囲で丁寧に対応することも必要だ。
大切なのは、毎回、電話だけで全部解決しようとしないことだと思う。
相手が自分で確認できる情報を案内すれば、次からは電話しなくても済むかもしれない。
それはお客さんにとっても便利なはずだ。
もう全国の会社は電話線を引っこ抜いてくれ
ここまで考えて、一つの結論にたどり着いた。
もう全国の会社という会社は、電話線を引っこ抜いてくれ。
電話機なんて置かなくていい。
想像してみてほしい。
朝、出勤する。
オフィスは静かだ。
電話が鳴らない。
誰も突然呼び出されない。
メールは自分のタイミングで確認できる。
チャットには必要な情報が整理されている。
集中して仕事ができる。
なんて素晴らしい世界なのだろう。
しかも、電話番という仕事まで減る。
「電話が鳴ったら三コール以内に出ろ!」
「新人が率先して取れ!」
「誰か電話に出て!」
あの謎の文化も消える。
電話が鳴る。
一コール。
誰も動かない。
二コール。
全員が受話器を見つめる。
三コール。
ついに新人が立ち上がる。
何の競技なんだ。
電話機を撤去すれば、この茶番も終わる。
もちろん、本当に電話が必要な仕事もある。
緊急連絡もある。
文字でのやり取りが難しい人への対応もある。
だから、現実にはすべての電話をなくすことはできないだろう。
それは分かっている。
しかし、電話がなくても済む仕事は、もっとたくさんあるはずだ。
電話をかける前に、メールで済まないか考える。
調べれば分かることは、まず調べる。
急ぎでなければ、相手が確認できるまで待つ。
たったそれだけで、仕事はずいぶんやりやすくなると思う。
電話が鳴らなくなっただけで、仕事がこんなに進むとは思わなかった。
いや、違う。
電話に邪魔されなければ、最初から進んでいたんだ。
まとめ|電話をかける前に、相手の時間を考えてほしい
電話が便利な連絡手段であることは否定しない。
急いで確認したいとき。
複雑な事情を説明するとき。
相手の声を聞いて話したいとき。
電話が適している場面は確かにある。
ただ、すべての用件を電話で済ませる必要はない。
メールで十分なこともある。
チャットの方が便利なこともある。
検索すれば分かることもある。
電話は、かける側にとって便利でも、受ける側にとって便利とは限らない。
相手の時間を使う。
作業を中断させる。
その場で返答を求める。
その負担を忘れないでほしい。
そして、僕が一番言いたいのは、これだ。
「電話の方が早い」と言う人へ。
そりゃそうだろう。
お前は早いだろうな。
でも、こちらにはこちらの仕事がある。
生活がある。
予定がある。
読んでいる本の続きだってある。
お前の時間だけが、時間じゃないんだ。
だから、電話をかける前に一度だけ考えてほしい。
本当に今、電話する必要があるのか。
その内容は文章では伝えられないのか。
自分で調べれば分からないのか。
それでも電話が必要なら、かければいい。
ただし、相手がすぐに出られるとは限らない。
そして、電話を受けてくれた人が、自分の時間を使っていることを忘れないでほしい。
さて。
ここまで書いて、ようやく集中できそうだ。
次の記事の構想でも考えよう。
そのときだった。
プルルルル。
電話が鳴った。
……。
誰か、電話線を引っこ抜いてくれ。
