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「久しぶり、元気?」というLINEに返信したくない。用件を先に言ってくれ

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「久しぶり!元気?」

このLINEへの返信したくなさは異常だ。

別に嫌なことを言われたわけではない。

むしろ優しい。

久しぶりに連絡をくれて、僕が元気にしているかまで気にかけてくれている。

ありがたい。

ありがたいのだが、スマホの通知欄にこの文章が表示された瞬間、

「うわ、返したくない」

と思ってしまう。

なぜだろう。

「久しぶり!○日空いてる? 飲みに行こ!」

なら、むしろ返せる。

予定表を確認する。

空いている。

行きたい。

「空いてるで!」

終わり。

ものすごく簡単だ。

逆に行きたくなければ、

「その日は無理やわ、ごめん!」

でいい。

ところが、

「久しぶり!元気?」

となると、途端に返信が難しくなる。

質問自体は簡単そうなのに。

いや。

考えてみれば、そもそもこの質問。

何を聞かれているのだろう。

目次

そもそも「元気」とは何なのか

まず、僕には「元気」という概念がよくわからない。

「元気?」

と聞かれたら、普通は、

「元気やで!」

と返せばいい。

それくらいはわかっている。

僕だって社会生活を送っている。

でも、真面目に答えようとすると急に難しくなる。

元気とは何だ。

身体が健康ということだろうか。

熱がないこと?

食欲があること?

よく眠れていること?

精神的に安定していること?

仕事に行けていること?

毎日笑えていること?

どこまでを「元気」に含めればいいのだろう。

たとえば今、少し鼻水が出ているとする。

でも熱はない。

食欲もある。

昨日はしっかり8時間寝た。

身体全体としては、かなり良好だ。

ただ、お気に入りのジャムがなくなった。

これは少し悲しい。

さて。

僕は元気なのだろうか。

身体:おおむね良好。

睡眠:良好。

食欲:良好。

鼻:やや不調。

精神:ジャムにより若干低下。

総合判定が難しい。

だから「久しぶり!元気?」と聞かれたら、一度こう返してみたい。

「少し鼻水は出ていますが、熱はありません。食欲はあります。昨日はしっかり8時間寝ました。今朝は食パンにジャムを塗って食べた程度です。ただ、お気に入りのジャムがなくなったので、気分は少し落ちています」

どうだ。

かなり丁寧に答えた。

ここまで情報があれば、僕が元気かどうか判断しやすいだろう。

でも、おそらく相手は困る。

「そ、そうなんや……」

となる。

いや。

聞いたのお前やからな。

僕は聞かれたことに真面目に答えただけである。

こいつ、ジャムを届けてくれるのか

ただ、もしかすると相手は本当に僕の元気を心配しているのかもしれない。

「お気に入りのジャムがなくなったので、気分は少し落ちています」

ここまで伝えたら、

「それは大変だ」

と思ってくれるかもしれない。

そして翌日。

ピンポーン。

誰だ。

扉を開ける。

ジャムを持って立っている。

ジャムおじさんだ。

なるほど。

そういうことだったのか。

数年ぶりに僕の健康状態を確認し、元気がない原因を突き止め、その原因がジャム不足であることを特定。

そしてジャムを補充する。

完璧な健康観察である。

「久しぶり!元気?」

「お気に入りのジャムがなくなって少し落ち込んでいます」

「わかった。今から持っていく」

ここまでやってくれるなら、僕も「元気?」という質問に全力で答えよう。

ただ残念ながら、僕の知り合いにジャムおじさんはいない。

おそらくジャムも届かない。

となると、やはり疑問が残る。

この人は何のために僕の元気を確認したのだ。

世の中には健康観察員が多すぎる

不思議なのは、普段まったく連絡を取っていない人ほど突然、

「久しぶり!元気?」

と聞いてくることだ。

数か月。

場合によっては数年。

僕の健康状態を一切確認していなかった。

それがある日突然、

「元気?」

急に巡回が始まる。

世の中には健康観察員が多い。

しかもこの健康観察、かなり短い。

「久しぶり!元気?」

「元気やで!」

「よかった!ところで今度飲みに行かへん?」

健康観察終了。

早い。

体温も聞かない。

食欲も聞かない。

睡眠時間も聞かない。

鼻水についても聞かない。

ジャムについても当然聞かない。

「元気」

という自己申告だけで健康観察を終了する。

本当に僕の健康を気にしていたのだろうか。

かなり怪しい。

元気でも元気じゃなくても、結局飲みに行く

さらに考えてみる。

仮に「元気?」のあとに飲みに誘うつもりだったとする。

僕が、

「元気やで!」

と返した場合。

「よかった!今度飲みに行こ!」

わかる。

では、

「いや、最近ちょっと元気なくて」

と返したらどうなるのだろう。

「そっか……大丈夫? じゃあまた元気になったら」

となるのだろうか。

たぶん違う。

「そっか……じゃあ気晴らしに飲みに行こ!」

となる。

元気。

→飲みに行く。

元気じゃない。

→気晴らしに飲みに行く。

結局、飲みに行くんかい。

何の確認だったのだ。

ゲームならひどい。

選択肢A

「元気です」

→飲みに行く。

選択肢B

「元気ではありません」

→飲みに行く。

分岐しているように見えて、1秒後に同じ道へ合流している。

だったら最初から、

「久しぶり!飲みに行こ!」

でいいではないか。

健康状態によって結論が変わらないなら、健康観察を挟む必要がない。

元気:飲酒。

元気なし:飲酒。

診断結果が治療方針に一切反映されていない。

ヤブ医者である。

そもそも「元気じゃない」と返すだろうか

もう一つ疑問がある。

久しぶりに連絡してきた人から、

「元気?」

と聞かれて、本当に、

「元気じゃない」

と答える人はどれくらいいるのだろう。

もちろん関係性による。

親しい友達なら言うかもしれない。

でも何か月、何年も連絡を取っていなかった人から突然、

「久しぶり!元気?」

と来て、

「いや、全然元気じゃない。最近仕事もしんどくて、夜になるといろいろ考えてしまって……」

と本気の回答を返すことは、あまりない気がする。

たいてい、

「元気やでー!」

「ぼちぼち!」

「まあまあ元気!」

くらいだろう。

つまり「元気?」という質問は、ものすごく範囲が広いくせに、許されている回答の範囲が狭い。

身体。

精神。

仕事。

生活。

人間関係。

いろんなものを含められる巨大な質問なのに、

模範解答は、

「元気!」

ほぼこれだけ。

質問として変ではないだろうか。

しかも、送った側もたぶん僕が「元気」と返すことを想定している。

だったら、

「元気?」

「元気!」

という往復で、新しく得られた情報はほとんどない。

この2通、何だったんだ。

「元気?」は質問ではなく、会話のノックなのかもしれない

ここまで考えて、ようやく少しわかってきた。

たぶん「元気?」は、本当に元気かどうかを知るための質問ではない。

会話のノックなのだ。

久しぶりの相手に突然、

「○日飲みに行かない?」

と送るのは、少し唐突な気がする。

だからまず、

「久しぶり!」

と言う。

そして、

「元気?」

と聞く。

相手から、

「元気やでー!そっちは?」

と返ってくる。

そこで少し近況を話す。

「最近どう?」

「仕事は?」

そんな話をしてから、

「そういえば、今度飲みに行かへん?」

と本題へ進む。

なるほど。

「元気?」は、本題へ入るための助走なのかもしれない。

そう考えると理解できる。

いきなり踏み切るのは怖い。

少し走って勢いをつけてから、本題へ飛びたい。

なるほど。

助走か。

それなら言いたい。

一人で勝手に走ってから来てくれ。

なぜ僕まで助走しないといけないのか

本題に入るまでに助走が必要なのはわかる。

久しぶりの相手に突然誘いを送るのが気まずい人もいるだろう。

でも、その助走に僕まで参加する必要はあるのだろうか。

「久しぶり!元気?」

「元気やで!」

「最近どう?」

「まあ変わらず」

「仕事忙しい?」

「ぼちぼちかな」

「そうなんや!」

「うん」

「ところでさ……」

長い。

いつ踏み切るねん。

僕はもう砂場で待っている。

用件があるなら来てくれ。

そもそも助走が必要なのは、連絡してきた側ではないのか。

「久しぶりに連絡するの緊張するな」

「いきなり誘うの変かな」

「どうやって切り出そう」

それはわかる。

でも、それはあなたの助走である。

なぜ僕まで横で一緒に走っているのだ。

そもそも僕は跳ぶと言っていない

さらに大きな問題がある。

僕は、その誘いを受けるかどうかまだ決めていない。

というか、何に誘われるのかすら知らない。

相手は飲みに行こうと思っている。

でも僕は、それを知らない。

そんな状態で、

「元気?」

「元気!」

「最近どう?」

「まあまあ」

と一緒に走っている。

そして十分に助走したところで、

「今度飲みに行かへん?」

と言われる。

僕は答える。

「ごめん、行かない」

…………。

何だったんだ、さっきまでの助走は。

二人で走った。

結構走った。

踏み切り板まで来た。

そして、

跳ばない。

残ったのは疲労だけである。

最初から、

「久しぶり!○日空いてる? 飲みに行こ!」

なら、

「ごめん、その日は無理やわ!」

で終わっていた。

お互い10秒で済んだ。

それなのに何往復もして、

近況を話し、

仕事について話し、

ようやく誘われ、

断る。

二人で助走して、二人で疲れただけだ。

助走が長いほど、断りにくくなる

しかも助走には、もう一つ問題がある。

長く走れば走るほど、本題を断りにくくなる。

何往復も楽しく話した。

「久しぶり!」

「元気やで!」

「懐かしいな!」

「ほんまやな!」

「最近こんなことあってさ」

「そうなんや!」

そこまで会話してから、

「じゃあ今度飲みに行こ!」

と言われる。

ここで、

「いや、それはいいわ」

と言うのは少し難しい。

さっきまであんなに会話していたのに。

ここまで走ったのに。

なんとなく跳ばないといけないような気がしてくる。

でも待ってほしい。

僕はそもそも跳ぶとは言っていない。

会話に返信した。

それだけだ。

飲みに行くことに同意したわけではない。

なのに助走が長くなることで、なぜか小さな心理的負債ができる。

だったら最初から、

「飲みに行こ!」

と言ってくれたほうが、僕は断りやすい。

これは意外と大事なことだと思う。

前置きは相手への気遣いに見える。

でも、場合によっては前置きが長いほど、相手に断りにくさを与えてしまう。

用件を先に言うことは、冷たいことではない。

むしろ相手に、

「参加する」

「参加しない」

を最初から選ばせることでもある。

「久しぶり!○日空いてる?飲みに行こ!」でいい

だから僕は、これでいい。

「久しぶり!○日空いてる?飲みに行こ!」

最高だ。

わかりやすい。

久しぶり。

挨拶。

○日空いてる?

日程。

飲みに行こ。

用件。

全部ある。

僕は予定表を開けばいい。

行きたい。

空いている。

「行こ!」

行きたくない。

「ごめん、今回はやめとく!」

それでいい。

僕は誘われること自体が嫌なのではない。

飲みに行くこと自体が嫌なのでもない。

何のために連絡してきたのかわからない状態で、会話だけ始めるのがしんどいのだ。

「ところで」を初手で出してほしい。

でも、相手が異性なら話が変わる

ここまで「用件を言え」と散々書いてきた。

助走なんて一人でやってくれ。

飲みに誘うなら最初から誘ってくれ。

そう思う。

ただ。

相手が異性だった場合。

しかも、昔少し仲が良かった人。

あるいは、以前ちょっといい感じだった人。

そんな相手から何年かぶりに、

「久しぶり。元気?」

と来た場合。

少し話が変わる。

この「元気?」には、普通の友人とは違う意味を想像してしまう。

ただ懐かしくなっただけかもしれない。

何か聞きたいことがあるのかもしれない。

久しぶりに会いたいのかもしれない。

あるいは、少し恋愛的な意味があるのかもしれない。

もちろん決めつけることはできない。

ただ、受け取る側は考える。

「これは何だ?」

同じ「元気?」なのに、相手との関係性によって意味が変わる。

ここで僕は気づいた。

もしかすると、こういう場合には助走が必要なのかもしれない。

「会いたい」と言わないことが優しさになる場合

たとえば、昔好きだった人に久しぶりに連絡するとする。

いきなり、

「久しぶり。会いたい」

と送る。

かなり強い。

受け取った側は、何か答えなければならない。

会いたい。

会いたくない。

YESかNOか。

特に会いたくない場合、

「ごめん、会うつもりはない」

と明確に拒絶する必要が出てくる。

送った側も傷つくだろう。

でも、

「久しぶり、元気?」

ならどうだろう。

返事が来る。

「元気やで!久しぶり!」

少なくとも会話はできそうだ。

少し話してみる。

そのうえで誘えばいい。

逆に返事が来ない。

既読。

終了。

それなら、

「ああ、今さら連絡してもあかんかったか」

と引ける。

「会いたい」とは言っていない。

だから相手も、

「会いたくない」

と言わなくていい。

返事がないこと自体が返事になる。

ここでは、僕がずっと嫌っていた「曖昧さ」が、むしろ逃げ道になっている。

曖昧だから、傷つかずに帰れる

そう考えると、恋愛的な「久しぶり、元気?」は、単なる助走ではないのかもしれない。

助走している途中で、

「相手も一緒に走ってくれるか」

を確認している。

「久しぶり、元気?」

と軽く投げる。

返ってこない。

だったら踏み切らない。

そのまま帰る。

大きなジャンプをしていないから、大事故にもならない。

なるほど。

さっきまで、

「一人で勝手に走ってから来てくれ」

と思っていた。

でも恋愛の場合、一人で最後まで走って勢いよく踏み切ってしまったら、相手が砂場にいない可能性がある。

それは痛い。

だから少し走って、

相手を見る。

来ていない。

なら止まる。

そういう助走なら、意味があるのかもしれない。

「元気?」は健康確認ではなく通信テストなのか

ここまで考えて、ようやく「元気?」が何を確認しているのかわかってきた気がする。

元気かどうかではない。

だって、

元気でも飲みに行く。

元気じゃなくても気晴らしに飲みに行く。

健康状態は本題にほとんど影響しない。

では何を確認しているのか。

たぶん、

「まだ僕と話してくれますか?」

である。

「久しぶり!元気?」

という軽いボールを投げる。

「元気やでー!そっちは?」

と返ってくる。

通信状態:良好。

既読。

返信なし。

通信不能。

なるほど。

健康観察ではなかった。

通信テストだったのだ。

「こちら田中。応答願います」

それを少し柔らかくすると、

「久しぶり!元気?」

になる。

そう考えると、かなり腑に落ちる。

「元気?」への回答内容は、実はそれほど重要ではない。

「元気」

でも、

「ぼちぼち」

でも、

「まあまあ」

でもいい。

重要なのは、

返事が来たかどうか。

そして、

どんなテンションだったか。

「元気やでー!久しぶり!」

なのか。

「元気です」

なのか。

スタンプだけなのか。

そもそも返事がないのか。

測っているのは健康状態ではなく、二人の関係の温度なのかもしれない。

行きたい相手なら、こちらから本題に行けばいい

そう考えると、「久しぶり、元気?」への返事も簡単になる。

もし僕もその人に会いたいなら、

「元気やで!○日空いてる?飲みに行こ!」

これでいい。

相手が助走を始めた瞬間、こちらから踏み切り板まで行く。

速い。

「元気?」

「元気」

質問への回答完了。

「○日飲みに行こ」

こちらの意思表示完了。

何往復も、

「最近どう?」

「仕事は?」

「休み何してる?」

とやらなくていい。

しかも、

「元気やで。飲みに行こ」

という返事は、ある意味「元気」の証明としてかなり強い。

飲みに行こうとしている。

十分元気である。

健康観察も終了。

行きたくない相手なら、返信しない

逆に、会いたくない。

特に話したいこともない。

今さら関係を再開したいとも思わない。

それなら、返信しない。

これも一つの答えだと思う。

もちろん仕事上の大事な連絡や、緊急の用件なら別だ。

でも、ただの、

「久しぶり!元気?」

なら、返事をしないという選択肢もある。

そして面白いことに、「元気?」という曖昧なLINEだからこそ、それができる。

相手はまだ、

「飲みに行こう」

とも、

「会いたい」

とも、

「相談がある」

とも言っていない。

だからこちらも、

「行きません」

「会いません」

「できません」

と断らなくていい。

返信しない。

それだけで、

「今は会話を再開するつもりがない」

ということがなんとなく伝わる。

送った側も、真正面から拒絶されずに済む。

ここまで散々、

「用件を言え」

「何の確認やねん」

「助走に付き合わせるな」

と文句を言ってきた。

でも、ここに来て思う。

「久しぶり、元気?」って、意外とよくできたLINEなのかもしれない。

文脈を読めないふりもしてみたい

とはいえ、一度くらいはやってみたい。

「久しぶり!元気?」

に対して、文脈を一切読まない。

本当はわかっている。

「元気?」が健康状態だけを聞いているわけではないことくらい、僕にもわかる。

会話を始めたいのだ。

何か本題があるのかもしれない。

それくらいは読める。

読めるからこそ、あえて読めない人になってみたい。

「久しぶり!元気?」

「はい、元気です。お気遣いありがとうございます。お優しいのですね。ではまた会う日まで!」

完璧である。

質問には答えた。

感謝もした。

相手の人格まで褒めた。

そして、

会話を完全に閉じた。

文章だけを見れば、何一つ失礼なことを言っていない。

むしろ丁寧だ。

なのに、

「もう連絡してこなくて大丈夫です」

くらいの圧がある。

不思議だ。

ということは、やっぱり僕たちは言葉そのものだけで会話しているわけではない。

「元気?」

という三文字の後ろに、

「久しぶりに話そう」

「まだ話せる?」

「何か用事がある」

「もしかしたら会いたい」

そんな、書かれていない言葉を勝手に読んでいる。

だから、

「元気です。ではまた会う日まで!」

が妙な拒絶になる。

文字だけなら正解なのに、文脈では不正解なのだ。

結局、「元気?」は何だったのか

最初、僕は「久しぶり、元気?」というLINEが嫌いだった。

用件を言ってくれ。

元気かどうかなんて、本当は気にしてないだろう。

そもそも元気の定義すらわからない。

少し鼻水が出ている。

熱はない。

食欲はある。

8時間寝た。

お気に入りのジャムがなくなって少し悲しい。

さて、僕は元気なのか。

そんなことを考えていた。

そして「元気?」は本題までの助走なのだと思った。

でも助走なら、

一人で勝手に走ってから来てくれ。

僕まで走らせないでくれ。

しかも最後に、

「飲みに行こ」

「行かない」

となったら、

二人で走って、二人で疲れただけではないか。

そう思った。

でも恋愛について考えると、少し見方が変わった。

いきなり「会いたい」と言わない。

まず、

「元気?」

と聞く。

返事がなければ、そのまま帰れる。

相手も明確に拒絶しなくていい。

曖昧さは、面倒くささでもあるけれど、逃げ道でもある。

そして最終的に思った。

「元気?」で確認しているのは、元気かどうかではない。

たぶん、

「まだ話せる?」

なのだ。

だから、僕もそれに答えればいい。

話したい。

会いたい。

飲みに行きたい。

だったら、

「元気やで。○日飲みに行こ!」

話したくない。

特に関係を再開したくない。

だったら、返さない。

それでいい。

数年ぶりに突然現れる健康観察員は、僕の体調を確認しに来たわけではなかった。

僕との通信がまだつながるか、確かめに来ただけだったのだ。

そう考えると、

「久しぶり、元気?」

も、そこまで悪くない。

ただし。

もし本当に僕の健康状態を確認したいのなら、話は別だ。

鼻水は少し出ています。

熱はありません。

食欲はあります。

昨日は8時間寝ました。

そして、お気に入りのジャムがなくなりました。

そこまで聞いたのなら。

ジャムくらい持ってきてほしい。

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