職場の休憩室で納豆を食べるのは、非常識なのだろうか。
僕の職場には、納豆を食べる同僚がいる。
弁当を持参して、冷蔵庫に納豆を入れておく。そして休憩時間になると、弁当と一緒に食べるのだ。
僕はその光景を見て、思った。
「ええなあ。僕も食べたい」
納豆はおいしい。
安いし、栄養もある。
ご飯との相性も抜群だ。
弁当に納豆を追加するなんて、実に合理的ではないか。
ところが、周囲の反応は違った。
「あいつ、ありえんやろ」
そんな悪口が聞こえてきた。
どうやら、職場で納豆を食べることを快く思っていない人たちがいるらしい。
理由は、匂いだ。
確かに納豆には独特の匂いがある。
苦手な人もいるだろう。
しかし、僕はまったく気にならない。
むしろ食欲が湧く。
同じ納豆を見ているのに、片方は不快になり、片方は食べたくなる。
人間とは不思議な生き物だ。
そして僕は疑問に思った。
職場で納豆を食べることは、本当にそんなに悪いことなのだろうか。
納豆を食べる同僚に、理由を聞いてみた。
僕は、その同僚に聞いてみることにした。
「なんで納豆食べんの?」
すると、彼は答えた。
「体にええからやろ。うまいし」
そうだ。
その通りだ。
何一つ間違っていない。
納豆は栄養のある食品だ。
植物性たんぱく質も摂れるし、発酵食品でもある。
そして、何よりおいしい。
食べる理由としては十分すぎる。
僕は続けて言った。
「俺も持ってこよかな」
すると、彼は言った。
「ええで、納豆は。安いし」
そうだ。
安いのだ。
最近はいろいろなものが値上がりしている。
昼食代だって、積み重なれば結構な金額になる。
そんな中、納豆は比較的手頃な価格で買える。
弁当に一パック追加するだけで、食事が少し豪華になる。
健康にもいい。
うまい。
安い。
素晴らしいじゃないか。
僕はますます納豆が食べたくなった。
しかし、気になることが一つある。
匂いだ。
そこで、聞いてみた。
「匂いとか気にならんの?」
すると、彼は言った。
「匂い? そんなん食べ物全部するやろ」
僕は納得してしまった。
そうだ。
食べ物には匂いがある。
カレーにも匂いがある。
焼きそばにも匂いがある。
唐揚げにも匂いがある。
ハンバーグにも匂いがある。
では、なぜ納豆だけが問題になるのだろう。
もちろん、食べ物によって匂いの強さも種類も違う。
納豆の匂いが特に苦手な人もいる。
だから、この一言ですべて解決するわけではない。
しかし、彼の言葉は実にシンプルだった。
食べ物には匂いがある。それだけの話ではないか。
僕は納豆について質問していたはずなのに、何だか食事の本質を教えられた気がした。
職場で納豆を食べるのはマナー違反なのか?
気になったので、職場で納豆を食べることについて調べてみた。
すると、反対する意見がたくさん見つかった。
「匂いが嫌だ」
「休憩室で食べないでほしい」
「職場で納豆を食べるなんて非常識」
そんな意見だ。
中には「納豆ハラスメント」なんて言葉もあった。
ついに納豆までハラスメントになったらしい。
納豆も大変な時代を生きている。
ただ、反対する人の気持ちが分からないわけではない。
納豆の匂いは独特だ。
好き嫌いが分かれる。
あの匂いが本当に苦手な人にとっては、近くで食べられるだけでも不快なのだろう。
しかも、休憩室は共有スペースだ。
自分一人の場所ではない。
周囲への配慮は必要だと思う。
マナーと言われれば、まあ分かる。
分かるのだが。
まあ、いいじゃないか。
僕はそう思ってしまう。
別に、一日中納豆をかき混ぜているわけではない。
休憩室で納豆を製造しているわけでもない。
大豆を持ち込んで、発酵させているわけでもない。
ただ、昼ご飯に納豆を食べているだけなのだ。
そんなに怒らなくてもいいじゃないか。
食事くらい、好きなものを食べさせてあげたらいいのに。
僕はそう思う。
なぜ納豆だけが、こんなに嫌われるのだろう。
ここで、一つ疑問がある。
なぜ納豆は、これほどまでに問題視されるのだろう。
職場の休憩室では、いろいろな食べ物が食べられている。
カップラーメン。
カレー。
焼きそば。
コンビニの弁当。
どれも匂いがある。
特に僕が苦手なのは、カップ焼きそばの匂いだ。
お湯を注ぐ。
しばらく待つ。
湯切りする。
そして、ソースを混ぜる。
あの瞬間、独特の匂いが広がる。
僕は、納豆の匂いよりも、あの匂いの方が嫌なのだ。
でも、だからといって、カップ焼きそばを食べている人を非常識だとは思わない。
好きなものを食べればいい。
僕が苦手なだけなのだから。
では、僕が職場でこう言ったらどうなるだろう。
「カップ焼きそばの匂いが嫌なので、食べないでください」
おそらく、困惑されると思う。
なぜ、お前の好き嫌いに合わせなければならないのだ。
そう言われても仕方がない。
でも、納豆の場合はどうだろう。
「納豆の匂いが嫌なので、食べないでください」
こちらは、何となく受け入れられそうな雰囲気がある。
不思議だ。
自分が嫌いな匂いと、社会的に許されない匂いは、同じなのだろうか。
もちろん、匂いの強さや残りやすさも考えなければならない。
食べる場所によっても事情は変わる。
ただ、僕が言いたいのは、嫌いな食べ物があることと、その食べ物を他人が食べてはいけないことは別だということだ。
自分が嫌いだから禁止。
そんなルールを作り始めたら、どうなるのだろう。
カレーが嫌いな人がいる。
焼き魚が嫌いな人がいる。
ニンニクが嫌いな人がいる。
卵の匂いが苦手な人もいるかもしれない。
全員の好みに合わせようとしたら、何を食べればいいのだ。
白米か。
いや、白米の炊ける匂いが苦手な人だっているかもしれない。
水だけ飲んでいろということだろうか。
そんな休憩時間は嫌だ。
僕はご飯が食べたい。
できれば、納豆も食べたい。
デスクで納豆を食べる人もいるらしい。
さらに調べていると、職場の自分のデスクで納豆を食べる人もいるらしい。
休憩室ではない。
仕事をする自席だ。
なるほど。
そこまでいくと、また少し話が変わってくる。
休憩室は食事をするための場所でもある。
しかし、デスクは仕事をする場所だ。
隣で誰かが仕事をしているかもしれない。
電話をしている人もいるだろう。
資料を読んでいる人もいる。
そんな場所で納豆を開ければ、匂いが気になる人もいると思う。
特に、換気の悪いオフィスならなおさらだ。
僕は納豆を食べることに賛成だが、だからといって、どこでも何を食べてもいいとは思っていない。
職場によっては、そもそも自席での食事が禁止されていることもあるだろう。
その場合は、納豆以前の問題だ。
ただ、自席で食事をしてもいい職場なら、また疑問が生まれる。
パンはいいのか。
おにぎりはいいのか。
カップ麺はどうなのか。
カレーは?
そして、納豆は?
どこからが非常識で、どこまでが普通なのだろう。
匂いが強いものは全部禁止なのか。
それとも、納豆だけが特別なのか。
この境界線は、思っている以上に曖昧な気がする。
納豆ハラスメントという言葉まである。
調べていて気になったのが、「納豆ハラスメント」という言葉だ。
納豆を職場で食べることで、周囲に不快な思いをさせる。
そんな意味合いで使われることがあるらしい。
気持ちは分かる。
本当に匂いが苦手な人にとっては、つらいこともあるだろう。
毎日のように強い匂いが漂ってくるなら、困る人もいると思う。
だから、そういう声を無視していいわけではない。
しかし、僕は少し考えてしまう。
納豆を食べること自体が、ハラスメントなのだろうか。
では、カップ焼きそばはどうなる。
カップ焼きそばハラスメントか。
カレーは?
カレーハラスメントか。
ニンニク料理は?
ニンニクハラスメントか。
そのうち、休憩室がハラスメントだらけになってしまう。
もちろん、冗談である。
ただ、何でもハラスメントという言葉で片づけてしまうのは、少し違う気がする。
大切なのは、実際にどんな困り事が起きているのかだと思う。
匂いが強くて仕事に集中できないのか。
食事中に気分が悪くなるほど苦手なのか。
それとも、単純に納豆が嫌いだから、職場で食べる人が許せないのか。
これらは同じではない。
納豆の匂いが嫌いなのと、納豆を食べている人間を嫌うことは別の話だ。
僕はそう思う。
納豆を食べる前に、全員の許可を取るのか?
では、納豆を食べたい人はどうすればいいのだろう。
休憩室に入る。
弁当を机に置く。
冷蔵庫から納豆を取り出す。
そして、全員に確認するのか。
「すみません。今から納豆を食べてもよろしいでしょうか?」
何だ、その儀式は。
「納豆の匂いが苦手な方はいらっしゃいますか?」
挙手制なのだろうか。
一人でも手を挙げたら禁止なのか。
では、誰も手を挙げなかったら食べていいのか。
途中から休憩室に入ってきた人には、もう一度確認するのか。
「すみません。納豆を食べていますが、大丈夫でしょうか?」
忙しい。
納豆を食べるだけなのに、やることが多すぎる。
しかも、カップ焼きそばを食べる人も確認するのだろうか。
「今からソースを混ぜますが、よろしいでしょうか?」
カレーを食べる人も。
「本日はスパイスの香りが広がる可能性があります」
何の職場だ。
食事をするたびに、会議が始まってしまう。
休憩時間が終わるわ。
もちろん、これは極端な話だ。
実際には、全員に許可を取る必要なんてないと思う。
ただ、周囲への配慮はできる。
換気する。
食べ終わったら片づける。
匂いが残らないようにする。
それくらいなら、納豆を食べる側も協力できるだろう。
でも、配慮することと、許可を取ることは違う。
食事をするたびに、職場全員の承認を得る必要はないと思うのだ。
そんなことより、僕はお前らの話し声の方が不快だ。
ここで、僕にも言わせてほしいことがある。
「あいつ、ありえんやろ」
納豆を食べている同僚について、そんなことを言っている人たち。
納豆の匂いが不快らしい。
なるほど。
それは分かった。
しかし、僕からすれば、もっと不快なものがある。
そんなことより、僕はお前らの話し声の方が不快だ。
休憩室で大きな声で喋る人がいる。
何人かで集まって、延々と話している。
笑い声が響く。
誰かの噂話が始まる。
そして、悪口まで聞こえてくる。
僕は静かに休憩したいのだ。
仕事から離れて、少しゆっくりしたい。
本を読みたいときだってある。
そんなとき、周囲の大きな話し声が気になる。
納豆の匂いよりも、よほど気になる。
納豆は喋らない。
ただ、そこにあるだけだ。
しかし、お前らは喋る。
しかも、人の悪口を。
僕からすれば、そちらの方が不快なのだ。
納豆の匂いは、食べ終わればいずれ消える。
しかし、人の悪口は、聞いてしまうと妙に耳に残る。
納豆よりも、お前らの口の方が臭いんじゃないか。
もちろん、これは比喩である。
ただ、ここで面白いことに気づく。
納豆の匂いが不快だと言う人がいる。
僕は、その人たちの話し声が不快だと思っている。
では、僕がこう言ったらどうなるだろう。
「休憩室で喋らないでください。僕が不快なので」
おそらく、反発されるだろう。
休憩室なのだから、会話くらい自由にさせてほしい。
そう言われるかもしれない。
それも分かる。
休憩室で会話すること自体が悪いわけではない。
しかし、それなら納豆を食べることも同じではないだろうか。
自分が不快に感じることと、相手がしてはいけないことは、必ずしも同じではない。
僕は、そう思う。
ちなみに、この休憩室のうるささについては、別の記事で詳しく書いたので、よかったらそちらも読んでほしい。

納豆を食べたい人と、匂いが嫌いな人は共存できるのか?
では、どうすればいいのだろう。
納豆が好きな人もいる。
嫌いな人もいる。
どちらも同じ職場で働いている。
できれば、仲良く休憩したい。
そこで、共存する方法を考えてみた。
まず、換気だ。
窓が開けられるなら開ける。
換気扇があるなら使う。
匂いがこもらないようにする。
これは納豆に限らず、どんな食べ物でもできることだ。
次に、後片づけ。
食べ終わった容器をそのまま放置しない。
すぐに片づける。
必要なら袋に入れて捨てる。
納豆の容器がいつまでも机に残っていたら、さすがに気になる人もいるだろう。
そして、場所。
広い休憩室なら、少し離れて食べることもできる。
換気のいい場所を選ぶのもいい。
匂いが少ないタイプの納豆を試してみる方法もある。
ただ、ここまで考えて、少し笑ってしまった。
僕たちは、たった一パックの納豆について、何をこんなに真剣に考えているのだろう。
それでも、共存できない場合はどうする。
納豆専用の休憩室を作るのか。
納豆派と反納豆派で休憩時間を分けるのか。
納豆派は午後一時から。
反納豆派は午後一時半から。
職場のシフト表に「納豆」と書かれる日が来るのだろうか。
そんなことをしていたら、会社が納豆を中心に回り始めてしまう。
たった一パックの納豆で、職場を二つに分けないでほしい。
僕が思うに、結局はお互いの理解なのだろう。
食べる側は、匂いが苦手な人もいると知っておく。
苦手な側も、食事をする場所なのだから、ある程度の匂いは仕方ないと考える。
もちろん、実際に困っている人がいれば、相談して調整すればいい。
一方だけが我慢する必要はない。
禁止するか、我慢するか。その二択しかないわけではない。
もう少し気楽に考えてもいいと思う。
食事くらい、好きなものを食べさせてあげたらいいのに。
僕は、これが一番言いたい。
仕事をしていると、いろいろなことがある。
嫌なこともある。
疲れることもある。
面倒なこともある。
それでも働く。
そして、ようやく休憩時間になる。
昼ご飯だ。
この時間くらい、好きなものを食べたいではないか。
好きな弁当を食べる。
好きな飲み物を飲む。
好きなものを食べて、少し幸せな気持ちになる。
それくらい、いいじゃないか。
僕の同僚は、納豆を食べている。
理由は簡単だ。
体にいいから。
うまいから。
安いから。
実に健全な理由だと思う。
もちろん、周囲への配慮は必要だ。
それは何度でも言っておきたい。
しかし、何でもかんでも「迷惑」「非常識」と言い始めたら、息苦しくて仕方がない。
僕は、そこまで厳しくしなくてもいいと思う。
マナーと言われれば分かる。でも、まあいいじゃないか。
納豆くらい。
食べさせてあげよう。
別に、一生食べ続けるわけではない。
休憩時間に一パック食べるだけなのだ。
僕はそう思う。
納豆を食べる同僚は、実にさっぱりした男だった。
それにしても、あの同僚は面白い。
周囲では「あいつ、ありえんやろ」と言われている。
しかし、本人は普通に納豆を食べている。
安いから食べる。
うまいから食べる。
体にいいから食べる。
それだけだ。
僕が匂いについて聞いても、
「そんなん食べ物全部するやろ」
と答える。
実にシンプルだ。
僕は、あの同僚をちょっとかっこいいと思っている。
周囲の顔色をうかがいながら、食べたいものを諦める。
そんなことはしていない。
自分が食べたいから食べる。
もちろん、本人が周囲の反応をどこまで知っているのかは分からない。
ただ、少なくとも僕と話しているときは、実にさっぱりしていた。
納豆を食べているのに、本人はまったくネバネバしていない。
一方、陰で悪口を言っている人たちはどうだろう。
「あいつ、ありえんやろ」
そんなことを言っている。
匂いが嫌いなのは仕方がない。
でも、本人に伝えるでもなく、陰で悪口を言う。
僕には、そちらの方が気になってしまう。
納豆を食べている男より、周囲の人間の方がネバネバしているではないか。
何とも皮肉な話だ。
そして、僕は思った。
この男を、一人にしてはいけない。
僕も明日から納豆を持っていこう。ダブルパンチだ。
よし、決めた。
僕も明日から納豆を持っていこう。
あの同僚と二人で食べるのだ。
冷蔵庫を開ける。
納豆を取り出す。
二人で席に着く。
弁当を並べる。
そして、納豆の蓋を開ける。
箸を握る。
かき混ぜる。
ぐるぐる。
ぐるぐるぐる。
まだ混ぜる。
ぐるぐるぐるぐる。
白い糸が伸びる。
二人で猛烈にかき混ぜるのだ。
ダブルパンチである。
今まで一人だった納豆男が、二人になる。
納豆の戦力が倍増する。
休憩室を納豆臭まみれにしてやろう。
いや、さすがにそれは迷惑か。
しかし、想像するだけで面白い。
周囲の人間は驚くだろう。
「え、増えた?」
そう。
増えたのだ。
納豆を食べる人間が。
一人ではない。
二人だ。
僕たちは、ただ納豆を食べている。
それだけなのに、何だか大きなことをしている気分になってくる。
おそらく、職場として問題になるだろう。
でも、それでいい。
いや、よくないのかもしれない。
しかし、僕たちは納豆を食べたいのだ。
ついに職場で納豆禁止令が発令される。
ここからは、僕の妄想である。
納豆を食べる男が二人になった。
休憩室には、今日も納豆の匂いが漂っている。
ぐるぐる。
ぐるぐるぐる。
二人は黙々とかき混ぜている。
やがて、職場で問題になる。
「最近、休憩室で納豆を食べる人が増えているらしい」
増えているといっても、二人である。
しかし、職場にとっては大問題なのかもしれない。
そして、ある日の朝礼。
「皆さんにお知らせがあります」
何だろう。
「本日より、休憩室での納豆の飲食を禁止します」
納豆禁止令である。
ついに出てしまった。
会社が正式に納豆を禁止したのだ。
一体、どんな職場なのだろう。
就業規則に書かれるのだろうか。
「従業員は、会社施設内において納豆をかき混ぜてはならない」
かき混ぜなければいいのか。
では、混ぜずに食べよう。
いや、そういう問題ではない。
そもそも、納豆を禁止するために会議が開かれたのだろうか。
「本日の議題は、納豆についてです」
会議室に集まる役職者たち。
真剣な表情。
資料が配られる。
そこには、納豆の写真。
「現在、休憩室で納豆を食べる従業員が二名確認されています」
何の報告だ。
「今後の対応について、ご意見をお願いします」
会社の偉い人たちが、納豆について議論している。
想像しただけで笑ってしまう。
しかも、原因は僕たち二人なのだ。
大変なことになってしまった。
伝説の二人の納豆男。
そして、僕たちは職場の歴史に名を残すことになる。
かつて、この職場には二人の男がいた。
二人は、休憩室で納豆を食べていた。
安くて、うまくて、体にいい。
ただ、それだけの理由だった。
しかし、周囲はそれを許さなかった。
やがて、納豆禁止令が発令された。
二人はどうしたのだろう。
納豆を諦めたのか。
それとも、食べ続けたのか。
その結末を知る者はいない。
ただ、彼らの存在は、これからも語り継がれていくのだろう。
伝説の二人の納豆男として。
僕たちは、ただ好きなものを食べたかった。
それだけだった。
しかし、世間はそれを許してくれなかった。
だから、立ち上がった。
箸を握りしめた。
蓋を開けた。
そして、かき混ぜた。
ぐるぐる。
ぐるぐるぐる。
白い糸が伸びる。
僕たちの絆も、強くなっていく。
休憩室に、納豆の匂いが広がる。
もう後戻りはできない。
僕たちは、戦ったんだ。
豆という弾丸で。
革命を起こしたんだ。
そして、これからも語り継がれていく。
伝説の二人の納豆男として。
……まあ、僕はまだ納豆を持っていっていないのだが。
